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住吉大社

歴史的建造物の素晴らしさを見ることができる「住吉大社」。住吉大社は本宮が4つとも国宝に指定されています。全国の住吉神社の総本社であり、日本を代表する神社の一つです。

日本最古の建築様式

住吉大社の建築様式は神社建築の中でも独特の様式をしています。日本最古の建築様式として位置づけられているのが、伊勢神宮などにもみられる、神名造り、出雲大社に見られる大社造り、堺市にある大鳥大社に見られる大鳥造り、そして住吉大社に見られる住吉造りの4つの様式です。

日本の建築史の中でも最古の建築様式の一つ言われる、住吉造りは独特の様式で作られています★。

住吉大社にある本殿4棟とも建物は切妻造りの妻入り形式となっており、桁行(側面)4間、梁間部分は正面が2間、背面が2間となっています。屋根は檜皮葺き(桧の皮をはいだものを敷き詰めて、屋根をふいたもの)となっており、屋根の上には千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が乗っています。柱は丸柱に丹塗りを施し礎石立ちとなっており、壁には胡粉(貝などの粉を塗料にしたもの)が塗られています。平面構造は内陣・外陣の2室となっており、この平面構造は天皇陛下の大嘗祭で造営される大嘗宮と似た構造をしているといわれています。

4つの本宮は第一・第二・第三本宮が縦一列に配列をし、第三と第四の本宮が横に配列するという形式で建てられています。これら本殿4宮は現在国宝に指定されています。

各本殿の前には、渡殿(わたりでん)や幣殿(へいでん)といった祭事を行う場所が建築されており、いずれも江戸時代に造営をされたものとされています。

第一本宮の幣殿は桁行5間、梁間2間、切妻造りで正面に千鳥破風や唐破風を付けた屋根を持ち、屋根は檜皮葺きで棟は瓦積みになっています。本殿4宮のいずれの幣殿も現代は重要文化財に指定されており、珍しい配列と建築様式を持つ美しい姿をみることができます。

都への出入口である津(みなと)を守った地、住吉

住吉神社の立つ住吉の地は、古来より大阪市の南部に鎮座し、地形より都へ至る海からの玄関口とされていたことから、外交上の要港としての役割を果たしてきました。

住吉の祭神はイザナギノミコトが禊祓を行ったことによって海中より生まれた底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神と住吉を建てたといわれる神功皇后とされています。

仁徳天皇による住吉の地に津(みなと)を開港して以来、遣隋使・遣唐使が出航をしていた港でもある住吉は、航海の無事を守る神として祀られてきました。

神功皇后は、住吉大神のご加護により、新羅を平定し、無事に帰還を果たします。その折に、住吉大神のご神託を受けたとして、この住吉の地に住吉大社を鎮座されたのでした。平安時代には、白い砂、青い松の風光明媚な住吉の土地の光景が和歌の題材として用いられていたことから、和歌・文学の神としても祀られてきました。

神功皇后が今の山口県の長門市から植姫を呼び、境内に御田をつくり五穀豊穣を祈願されたことから、農耕の神としても崇められてきました。

住吉大社は航海の無事を祈願するだけでなく、和歌や農耕の神、そして潔祓や産業や貿易、はたまた外交の祖神としても人々から崇められてきました。

住吉を守る4つの祭神と摂社と末社

住吉大社には4つの神様が祀られています。

  • 第一本宮には、底筒男命(そこつつのおのみこと)
  • 第二本宮には、中筒男命(なかつつのおのみこと)
  • 第三本宮には、表筒男命(うわつつのおのみこと)
  • 第四本宮には、神功皇后(じんぐうこうごう)

中でも第一本宮・第二本宮・第三本宮は住吉大神(すみよしおおかみ)と称され、地域の人々に深く根付いています。

境内には大海神社(だいかいじんじゃ)・志賀神社(しがじんじゃ)・船玉神社(ふなたまじんじゃ)・若宮八幡宮(わかみやはちまんぐう)といった4つの摂社と25の末社が造営されています。

概要:住吉大社

住所:〒558-0045 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89
web:http://www.sumiyoshitaisha.net/