words

This page is about words.

建築基準法にて定義されている用語(法第2条)

建築物・特殊建築物

建築物(法第2条一号)

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
建築基準法

建築物の大前提は「土地に定着する工作物」であることです。船や自動車、飛行機のような一定の土地に定着していないものは建築物とはいえません。また、自然の洞窟のように人が住めるとしても、工作物でないものは建築物には含まれません。

特殊建築物(法第2条二号)

学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。
建築基準法

例えば多数の人が集う建築物(映画館など)や衛生上・防火上特に規制すべき建築物 (汚物処理場など)などがこれに当たります。建築基準法では、こうした建築物については、特に厳しい規制を設けられています。

建築設備・居室

建築設備(法第2条三号)

建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
建築基準法

建築物の定義にあるように、建築設備は建築物に含まれます。建築設備に関する法規には、電気事業法、ガス事業法、水道法、ビル管理法などがあります。

居室(法第2条四号)

居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
建築基準法

居住以外にも、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のための部屋も居室に含まれるといった点がポイントです。事務所の事務室や会議室、病院の病室や診療室も居室になります。また、継続的に使用する、というのもポイントとなります。

居室に含まれないものとして、玄関、廊下、階段、便所、浴室、物入、倉庫、脱衣所・洗面室、納戸などが挙げられます。実際の実務では、その各部屋の実情に応じて居室、非居室の判断がされます。

居室に課せられる制限

居室の採光および換気
居室には、採光・換気・排煙などが必要なので、窓を設けなければなりません(第28条)。
居室の天井高
居室の天井高は2.1m以上とします(第21条)。同じ室内で天井高が異なる場合は、平均高さを算出して判断することになります。
外壁の床下部分
外壁の床下部分には、、壁の長さ5m以下ごとに面積300平方センチメートル以上の換気孔(かんきこう)を設ける必要があります(第22条2号)。ただし、防湿土間コンクリートやベタ基礎などの防湿処理がなされていれば、適用されません。
居室の床高
最下階の居室の床が木造の場合、床の高さは直下の地面からその床の上面までを45センチメートル以上としなければなりません(令第22条1項)。

不動産実務TIPS

建築・建築主・設計者

建築(法第2条十三号)

建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。建築基準法

新築とは、建築物の建っていない敷地に建築物を建てることをいいます。ただし、使用する建築材料の新旧は問いません。また、仮設であるかも問いません。

増築とは、既存建築物の床面積を増加させることをいいます。同一敷地内に別棟を建てた場合も増築となります。

改築とは、建築物を全部または一部を一旦除却して、その跡へ以前の用途・規模・構造・位置が著しく異ならない建築物を建て直すことをいいます。災害などで失った建築物の建て直しも含まれます。

移転とは、同一敷地内で建築物の位置を動かすことをいいます。ただし、別の敷地に移す場合は、その地基地が更地であれば新築、既存建築があれば増築になります。

建築主(法第2条十六号)

建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。建築基準法

「建築物に関する工事の請負契約の注文者」というのは分かりやすいと思います。例えば、Aさんがマイホームを建てるために、建築業者Bに建築工事の依頼をした場合、Aさんが建築主で、建築業者Bが施工者です。

では、請負契約によらないで自らその工事をする者とはどういったことでしょうか。こちらは、セルフビルドで行う場合、上の例でいうところの施工者=建築主の場合を想定しています。

設計者

その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、建築士法第二十条の二第三項又は第二十条の三第三項の規定により建築物が構造関係規定(同法第二十条の二第二項に規定する構造関係規定をいう。第五条の六第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備関係規定(同法第二十条の三第二項に規定する設備関係規定をいう。第五条の六第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)に適合することを確認した構造設計一級建築士(同法第十条の二の二第四項に規定する構造設計一級建築士をいう。第五条の六第二項及び第六条第三項第二号において同じ。)又は設備設計一級建築士(同法第十条の二の二第四項に規定する設備設計一級建築士をいう。第五条の六第三項及び第六条第三項第三号において同じ。)を含むものとする。建築基準法

( )が多く分かりづらいですが、いろいろ省略して書くと、以下のようになります。

  • その者の責任において、設計図書を作成した者をいい、
  • 構造設計一級建築士又は
  • 設備設計一級建築士を含むものとする。

構造設計一級建築士と設備設計一級建築士について、「建築士法第二十条の二第三項又は第二十条の三第三項の規定により建築物が構造関係規定又は設備関係規定に適合することを確認した」という前置きをしているのです。