壁を照らすと部屋が広く見える?住宅照明で失敗しない「光の当て方」の基本

「照明の数は足りてるはずなのに、部屋が暗く感じる…」
「おしゃれにしたいけど、なんだか落ち着かない…」

実はこれ、“照らす場所”を間違えているのかもしれません。照明の基本は「光の量」より「光の当て方」。今回は、部屋をぐっと明るく・広く感じさせる「壁を照らす」テクニックをご紹介します。

なぜ明るくならない?原因は「光の当て方」にあり

照明はついているのに、なぜか暗く感じる部屋。この違和感の正体は、照明の「配置」にあります。私たちは“光そのもの”ではなく、“反射した光”を見て「明るい」と感じます。つまり、白い壁や天井に光が当たって反射することで空間が明るく見えるのです。

天井にダウンライトを並べるだけでは、床に光が落ちるばかりで、目線に入る範囲が暗く見えます。光は目線に入る範囲(壁面)に当てて初めて“明るさ感”が生まれるのです。

壁を照らすことで得られる3つの効果

① 明るさ感がアップする

壁を照らすことで視界に明るい面が広がり、部屋全体が明るく感じられます。特に白やベージュの壁なら、反射光が空間にふんわりと広がる効果があります。

② 空間が広く見える

照明が壁を照らすことで、部屋の“奥行き”が生まれ、実際以上に空間が広く見えるようになります。狭い部屋や廊下などには特に効果的です。

③ 雰囲気が落ち着く

光源が直接目に入らないため、まぶしさが減り、リラックスしやすい空間に。カフェやホテルのような“心地よい明るさ”をつくる鍵は、壁照明にあります。

よくあるNG照明パターンと改善のヒント

光を当てる場所を間違えると、せっかくの照明が逆効果になることも。以下のようなケースには要注意です。

  • エアコンのある壁:生活感が強く出てしまい、空間の印象が台無しに。
  • 扉や収納のある壁:影が不自然に出たり、構造の凸凹が強調され、空間が散らかって見えることも。
  • 何もない中途半端な壁:意味のない場所を照らすと「ただの明るい壁」になり、落ち着かない印象に。

照らすべき壁には、“見せたいもの”や“素材感”があることが理想です。

照らすべき壁の選び方とおすすめ器具

◎ おすすめの壁の選び方

  • ソファの背面やテレビボード背後など、視線が集中する面
  • ダイニングや廊下の壁など、滞在時間が長い場所
  • 素材やアートを飾っている壁(石張り、木材、絵画など)

◎ おすすめの照明器具

  • ブラケットライト:壁に直接取り付ける器具。アクセントに最適。
  • ダウンライト(壁寄せ設置):照射角が調整できるタイプを選ぶとGOOD。
  • 間接照明(コーブ照明):天井や家具上から壁をやわらかく照らす。
  • アップライトスタンド:床置きで手軽に壁を照らせる便利アイテム。

【まとめ】壁を照らすだけで部屋はここまで変わる

照明の数を増やすのではなく、光を“どこに”当てるかを意識するだけで、部屋はぐっと明るく、広く、落ち着いた空間に変わります。

まずは今日、あなたの家の中で「照らしてもよさそうな壁」を探してみましょう。そして、間接照明やスタンドライトで、やさしい“壁の光”を試してみてください。

部屋の印象は、「照明の当て方」で驚くほど変わります。

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